入り組んだ道を抜けて、ともだちの家へ行った。
この辺はまだ砂利道で、水洗トイレも普及してないところで
昭和の時代のまちなみ。
いつも裸足で、クラスで馬鹿にされても靴下を履かせてもらえないクラスメイトが住んでいるのもこの辺だった。
ランドセルを背負った痩せている私は、その子の家を通り過ぎ、ともだちの家へ行く。
あれから30年。
おともだちは、今、お金持ちの旦那さんと何不自由なく暮らしている。
だけどお母さんがボケ始めているらしい。
あれから30年。
お母さん、おばあちゃん
会いたい。
私は人一倍、寂しがりなのに、ずっとひとり。
人一倍、甘えん坊なのに、ずっとひとり。
私の人生は後悔しかないの。
ランドセルを背負った私は、未来の自分がこうなると想像もしなかったよ。