カフェでのBGMは、私にとっては大切なこだわり条件である。
カフェでゆっくり読書をしようと思っても、好みじゃない曲がかかっていると、落ち着かない。まだ有線放送みたいに曲が変わっていけば良いけども、同じアーティストのアルバムを流されていたりすると、これはもうどうしようも無い。さっさとコーヒーを飲み干して店から出るしか無いのである。
今までは良いかんじの曲を流していたのに、急に趣味趣向が変わったカフェがある。
店員が変わったのだ。
先日、久しぶりに行ったら、いつも若い子が一人でやっていたのに、おばさんになってた。
私と同年代と思われる彼女がかけるのは、ごりごりの初期のビートルズ。
う〜ん。ダメだ…落ち着かない。私は鞄からイヤホンを取り出して、携帯で自分好みの曲を聴いた。そんなことが2回あった。
しばらく間を置いて、久しぶりにまたその店に行ってみる。
店員さんがあのおばさんだったら入るのをやめようと思いながら中を覗くと、違う人だ。
う〜ん。怪しい。同年代のおじさんだ。いかんいかん。おじさんだからと言ってまだわからない。肝心の音楽は?と店内に入るとホール&オーツだった。
ホール&オーツはあまり詳しくないが、嫌いじゃない。過去にアルバムを一枚聴いていたことがあり、好きな曲もあるから、多分大丈夫、と席に座る。
本を開き、コーヒーが来るのを待つのだが…
…ダメだ!落ち着かない!!!
さっきから文字を追ってページをめくってるのに全然頭に入らない!!
ホール&オーツは好きだが読書するにはポップ過ぎるんだ!!
今日はイヤホンも持ってないし…読書は諦め、コーヒーを飲み干した。そして、読書する時はもう2度とここへは来ない、そう思って外へ出た。
あー嫌だ。昔はここまでの気持ちにはならなかったのになぁ。歳とったのかなぁ。今は本能が拒否してるみたいなんだよね。
仕事や付き合いなら我慢するけど、完全にプライベート。だから自分の好き嫌いを全面的に押し出していく。
生きていて色んなことに我慢をしているんだから、完全に一人で聴く時の音楽くらい我慢したくない。
家に帰り、読書に合う音楽は何かしら…と自分の持っているCDの中から見繕った。
先程のカフェでかかってたホール&オーツのカヴァー曲。
テイトウワのサウンドミュージアムの中の一曲です。プライベートアイズは名曲。