母が亡くなってから、9年祖母の介護をしてきました。
そのうちの8年ほどを祖母はホームでお世話になりました。ホームでの暮らしは、寂しい気持ちはあったと思いますが、祖母は明るく、時には怒ることもあったそうですが、自分のためにお世話をしてくれる職員さんに、常に感謝の気持ちを持ちながら過ごしてくれていたように思います。
私が行くと、いつも嬉しそうににっこりと笑い、ひとりできたの?と私を気遣うように声をかけてくれて、周りの人に、『うちの孫』と自慢するように紹介するのが常でした。
私はいつも、祖母の部屋の掃除をし、
祖母にコーヒー牛乳とプリンや揚げまんじゅうを差し入れして、ふたりでゆっくりと過ごすのです。少しでも祖母といられるよう、祖母がみんなと夕食を食べている間に、
必要なものをスーパーに買いに出かけました。
買い物行ってくるね、と声をかけると、また帰ってくる?と聞いてきて、夜帰るときは、暗いから泊まっていけば、と言いました。
おばあちゃんと過ごした時間は、ホームに入るまでの1年と数ヶ月の濃密な時間と、ホームに入ってからのゆったりとした時間があり、そのどれもが、とても楽しくて幸せな時間でした。
それは、祖母が私に負担をかけないよう、我慢をしてくれたり、頑張ってくれたから過ごせた時間だと思っています。
コロナで面会が制限されて、抜け殻のように元気をなくした祖母も、ここ最近、最後の力を振り絞って、私と病院に行き、整体に行き、帰るときは楽しかった、ありがとうと言ってくれました。
お礼を言うのは私の方です。おばあちゃん、ありがとう。私も本当に楽しかったし、幸せだった。
95年間、様々な苦労や、困難を乗り越えて、最後まで生きる気力をなくさず、立派に生きたおばあちゃんを誇りに思います。
おばあちゃん、今度はお母さんと、ゆっくりと過ごして下さい。