こだわりの珈琲屋

 

昔住んでいた家の近くを散歩中に、休憩がてら珈琲が飲みたくなって、そういえばこの近くにこだわりのありそうな珈琲屋があったな…と思い出し、初めて入ってみました。

店名を見るといかにもという感じのストレートなこだわりを感じさせる強そうな名前が。

店先には看板の他に、店主の珈琲へのこだわりのメッセージが、紙に書かれてベダベタ貼られている。

 

…怖い

 

私の性質上、普段こういう店は入らないのだが、こういう機会でもないと絶対に入らないと思い、入ってみました。

入ると、店内の座席はこのご時世で座れないようになっており、テイクアウトのみ。

ごっつい40代くらいのモヒカン刈りの店主が出て来て、注文をすると、座ってお待ちくださいとのことなので、店主が珈琲を淹れてくれている間、やはり店内にはベタベタと貼られた店主のこだわりのメッセージを読んでいた。頭上にも針金が渡してあり、ピンチでメッセージが吊り下げられている。

待っている間に全部読んだけど、覚えてない。正直言って数が多い割に印象に残るようなメッセージはないし、うるさいだけ。

私もあまり得意ではないのだけど、『引き算の美学』を知らないのかな。情報を出さないでいる方が、勝手に相手が気になって興味を持ってくれるというやつ。

持ち帰って珈琲とチーズケーキを家で味わった。確かに美味しかったけど、このくらいなら他でも…なんて思ってしまいました。

 

美味しい珈琲とケーキは、ちょこんとそこにあって、愛おしさのあまりついついこちらから手を伸ばしたくなるような風情でいてくれた方が私は好きなんだよな。